野球小僧

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    「楽をし〜てもクロ〜クロ〜♪苦労をし〜てもクロ〜クロ〜♪
     お前が打〜たなきゃ♪明日は雨〜クロマティ〜♪」


    あの頃、みんな野球小僧だった。

    カンカン照りの太陽の下、真っ黒に焼けた肌。
    一つのボールに一つのバットがあれば場所なんかどこでも良かった。

    喉が渇けば近くの民家に飛び込み
    「水の〜ましてく〜ださ〜い」
    小さい手のひらにタプタプの水。思いっきり吸い込んで乾きを潤す。

    自転車は魔法の馬車だった。
    何処にでも行けると信じていた。

    友達の友達は友達で、隣町の友達も友達だった。

    家路に着く合図は太陽の沈み加減。ボールが見えないので渋々帰る。

    家に帰れば、カレーの匂いと香取線香の匂いと「ナイター中継」
    一つの家には一つのテレビで選択権は父が握っていた。
    母は「いつも野球ばかり・・・」と嘆いていたが、巨人のチャンスにはコブシを握っていた。

    「ナイター中継」が終わればお風呂の時間で、今日の冷蔵庫にスイカが入っているのは知っていた。
    急いで上がれば、大きいスイカが取れるかもしれない・・・
    だいぶ前にシャンプーハットは卒業していた。

    寝る前にクロマティーの活躍がよみがえって来た。


    「楽をし〜てもクロ〜クロ〜♪苦労をし〜てもクロ〜クロ〜♪
     お前が打〜たなきゃ♪明日は雨〜クロマティ〜♪」

    あの頃、みんな野球小僧だった。

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