ふるさとに放射能が舞う 3
JUGEMテーマ:車/バイク
私の母の実家は、富岡町に存在します。
小学生の頃、夏休みになるとよく連れていってもらいました。
半月くらいホームステイさせてもらい。
いとこやその友達・・・たくさんのちびっこが集まって
海に行ったり、山に行ったり・・・
自然の中で遊びました。
クワガタや、ザリガニなどはそこら辺にたくさん居て
よく捕まえて遊んだなぁ・・・
Tシャツに短パン、麦わら帽子にビーチサンダル。
宮崎駿の映画に出てきそうな・・・
本当にそんな光景でした。
先日、その富岡町に住んでいたおじさんが、福島市の私の自宅に避難してきました。
地震の後、つなみに襲われたそうですが、不幸中の幸いか、自宅が高台にあるために全壊は免れたそうです。
しかし、福島第一原子力発電所からの放射能漏れにより、避難区域に指定され、避難してきたとのことでした。
急いで避難したため、着のみ着のまま・・・
大切な物など、何も持って来れなかったそうです。
特に、母の両親の位牌を持って来れなかったことを、非常に悔やんでおりました。
現在も富岡町は立ち入り禁止区域となっているために、自宅に戻ることができません。
落ちてしまった瓦の応急修理もできないために、今頃自宅は、雨漏れして使い物にならなくなっているかもしれないと言っておりました。
今回の震災で福島県は、地震とつなみにより、大きな損害を受けました。
しかし、他の被災地と決定的に違うのは、そこに原発が存在したことです。
放射能漏れはあきらかに人災であり、防ぐことができた事故だと思っております。
本当に悲惨な災害でしたが、これが天災だけなら、まだ救われたのです。
しかし、そこに人災が加わり、福島県全域に放射能が舞ったとなると、復興への道のりは、かなりの困難を極めるでしょう・・・
現に、震災後すぐに復旧の動きが見られたのですが、放射能のせいで屋内退避になったり、その風評被害のせいで、仕事を奪われた人が沢山存在します。
それでなくとも、元の福島県を取り戻すためには、莫大な人的エネルギーが必要とされるのに、手かせ足かせを付けられた状態で、挑まなくてはならなくなったのです。
農家の方々が丹精を込めてつくった、野菜や果物が・・・米や牛乳が・・・・
放射能という、目に見えない物質のために、廃棄処分となりました。
汚染水を海に放出したために、魚が売れなくなり
漁師が海に出られなくなりました。
福島の木材が・・・鉄が・・・・車まで・・・
敬遠されているのです。
教えてください。
富岡町で、クワガタや、ザリガニをとり、子供達が安全に遊べるようになるには、後何年かかりますか?
日本全国・・・
いや、世界中に植えつけられた「放射能=福島県」というイメージは何年経過すれば元に戻りますか?
都会と地方の格差が問題になっても・・・
こつこつこつこつ・・・
若い人たちが、都会に出てしまい過疎化が進んでも・・・
こつこつこつこつ・・・
ふるさとを愛し
先祖の土地を守り
こつこつこつこつ・・・
真面目で、勤勉な、福島県民・・・
これほど、愛してやまない福島県に・・・
「ちくしょう ちくしょう ちくしょう・・・」
ふるさとに放射能を振らせやがってぇ・・・・
ミリシーベルト?、マイクロシーベルト?、
「人体に影響がありません」
専門家がテレビで頻繁に訴えておりますが、そんなことよりも
福島の美しい風景や、土、水、草木や花々・・・
さらに美しい思い出、そこに生きる人々・・・
幾万もの思い入れのあるこの土地に、得体のしれない物質を降らされた・・・
私は、そちらの悲しみの方が強いのです。
人災とは、人間に起因する災害の事です。
正しく、今回の福島第一原子力発電所の事故は、一部の利権の絡んだ、怠慢な人間達が作り出した人災なのではないのでしょうか。
しかし、こんな絶望的な状況から救ってくれたのも、また人間だったのです。
テレビのニュースで、わざわざ、福島県産のホウレン草を買ってくれている人がいることを知りました。
原発で、命がけで作業してくれている人達がいることを知りました。
さらに、日本のために、志願者が後を絶たないことを知りました。
風評被害のために、救援物資が届かない、いわき市へ、
お笑い芸人の江頭さんが、自ら2tトラックを運転し、運んでくれたと知りました。
さらにその物資は、江頭さんが借金をして購入してくれた物だと知りました。
多額の義捐金を寄付してくれてたタイは、さらには発電機2機を無償で貸出し、
日本大使館がお礼の新聞広告を掲載しようとしたら、広告料も受け取ることがなかったと知りました。
被災してからというもの、何度、胸を込み上げるような感動をしたことでしょう。
何度、励まされ、勇気をもらったことでしょう。
被災しなければ、これほど多くの人の温かさに触れることは、なかったかもしれません。
東電の幹部への怒りは、この先、簡単に消えることはないでしょう。
頭では、怒りからは何も生まれないということは理解しているつもりです。
それでも、イチ福島県民として許せない気持ちでいっぱいです。
しかし同時に、支援していただいた人への、感謝の気持ちも沢山持っているのです。
人に苦しめられ
人に助けられ
人に陥れられ
人に救われる
まるで、人生の縮図のようです。
これからどうしたらいいのだろう。
先の事など考える余裕などなく・・・
今の事だけで精いっぱい。
福島県民の全員が、そんな気持ちだと思います。
それでもまた、こつこつこつこつ・・・
元の福島に少しでも近づくように・・・
ただ、黙々と・・・
壊れたレンガを積み上げていきましょう。
歴史上、復興しなかった震災はありません。
さらに、私達日本人は、何度も何度も窮地に陥る度に、立ちあがってきました。
天災も、人災も・・・
納得のいかない気持ちも・・・
感謝の気持ちも・・・
全てを、胸にしまい込んで・・・
がんばろう 福島。
がんばろう 東北。
がんばろう 日本。
負けるな ふるさと。
おわり
- 2011.04.08 Friday
- 社長コラム−思想
- 19:37
- comments(4)
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- by carart-d
コメントありがとうございます。
文章は心の鏡ですので、どうしても感情が入ってしまいますね(汗)
何度か、書き直して、押さえて書いたつもりなのですが・・・
ふるさとへの想いが強すぎるせいか、多少過激な表現が入ってしまったかもしれません。
以後、気を付けていきたいと思います。
しかし、これが平穏な時でも、アニキという表現は呑み込めませんよ(笑)
いや、ホント、35歳にもなって独身でいると、変な見方をされてしまう可能性があるんですから(汗)
そこら辺、誤解のされないコメントでお願いします(笑)
冗談はさておき・・・(笑)
私達、内陸の人間は、つなみの被害がないだけでも、まだマシです。
さらに、私も、小笠原さんも、独身ならば・・・
放射能に怯えることもありません(笑)
原発で、瓦礫を片付ける仕事についても、いいくらいだと私は思っているのですが・・・
私達は、偶然にも、経営者という立場にあります。
ならば、この職業を通して、少しでも福島の復興の手助けになれるように邁進するのが、一番効果的だと思います。
小笠原さんの言うとおり、無理したものは、いつか反作用となって現れるのだと思います。
小笠原さんも、相当無理された時期があったのでしょう。
それ故のアドバイス・・・心に沁みました。
それでも私は・・・
今こそ本気になる時だと思ってしまいます。
何故だか・・・俄然、燃えてしまってます(笑)
並大抵の精神力では、この逆境に立ち向かうことが出来ないでしょう。
しかし、その精神力が、私も小笠原さんにも備わっていると信じております。
見せてやりましょう!東北の底力!!
見せてやりましょう!福島の粘り腰!!
すでに、魂のゴングは鳴りました。
共に頑張りましょう!!